経済産業省は、一般照明用電球形蛍光ランプの安全仕様に関するJIS(日本工業規格)を改正した。最近の国際規格の動向を踏まえ、さらなる安全性の向上を図るため、日本工業規格(JIS C7620-1)について、ランプ本体と口金部分との取り付けの強度やランプ寿命が尽きたときの安全性に関する要求事項等を追加した。
一般照明用の電球形蛍光ランプは、蛍光ランプと制御装置を組み合わせて電球形状にしたランプであり、電球よりも省エネルギーであること等から広く普及している。
今回の改正のポイントとして以下3点をあげる。
電球形蛍光ランプが横向きに使用される実態に対応するため、口金の取り付け方向(口金軸)に直交する方向に力が加わったときに耐えるべき力(モーメント)の大きさを定めた。また、電球形蛍光ランプを器具にねじ込んで取り付けるとき等に、ねじ込む力によってランプ本体や口金部分に、その変形などが生じないよう強度基準を定めた。
電球形蛍光ランプは、蛍光ランプ部の寿命が尽きた際や制御装置に故障が起きた場合においても、感電防止に関する機能に損傷を受けない構造や、発火が生じないような構造であることを定めた。
これまで電球形蛍光ランプの製品毎の注意事項等について、取扱説明書等に文書で記載することとしていたが、今回文字を読まなくてもその内容が認識できるようピクトグラムを定めた。
例えば、調光器に非対応の蛍光ランプの場合、調光器が付いた照明器具等で使用すると故障や事故の原因になるため、そのような使用をする警告のピクトグラムを定めた。(下図参照)
このマークがある蛍光ランプは調光器付きの器具に取り付けてはいけない
一般照明用電球形蛍光ランプについて、安全性や互換性を確保するため、国際規格(IEC 60968)を基礎とした日本工業規格(JIS C7620-1)を2000年に制定した。その後も本JIS規格について、小型の電球形蛍光ランプへの対応(E-17口金の追加)や包装又は取扱説明書に表示すべき事項を追加する等、安全性を確保するために改正が行われてきた。
今般、IEC 60968について、電球形蛍光ランプの機械的強度に関する要求事項の追加等の改正が行われたことを受け、JISとしてもその対応を図る改正を行った。これにより、電球形蛍光ランプのさらなる安全性の向上と普及が期待される。
JISは、製品の種類・寸法や品質・性能、安全性、それらを確認する試験方法や、要求される規格値などを定めた日本の国家規格。JISは、社会的環境の変化に対応して、制定・改正されている。経済産業省は2月分として、7件の制定および51件の改正を行った。
【参考】